御礼

第7回がん征圧ポスターデザインコンテストにご応募いただき、誠にありがとうございました。今回は、電子データのみでの応募受け付けとなり、115作品の応募がありました。厳正な審査を経て、最優秀賞1点、優秀賞4点、入選8点が決定いたしました。優秀賞は当初3点の予定でしたが、優秀作が多く、今回は特別に4点を優秀賞としました。

開催目的

日本対がん協会は、がん征圧月間の9月に全国の自治体でがん検診の受診を呼びかけるポスターのデザインを募集しました。
いま、日本人の2人に1人が生涯に一度はがんを患い、3人に1人ががんで亡くなっています。誰しも、がんとかかわりない暮らしを送ることが難しい時代です。しかし早期に見つけて適切な治療を受けると、治るケースも少なくありません。そのカギは検診です。
国の勧める検診は胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5つです。しかし、その受診率は、「がん対策推進基本計画」で国の揚げた目標の50%(胃・肺・大腸は当面40%)には届いていません。日本対がん協会は昭和35年(1960年)から9月を「がん征圧月間」と提唱し、全国で検診の受診を呼び掛けてきました。一人ひとり、みんなが誰かを大切に思い、誰かに大切に思われています。あなたのデザインを通して伝えるメッセージが、そんな大切な人の命を守ります。

審査会の様子

審査員(敬称略・50音順)

粟辻美早(グラフィックデザイナー)
猪俣研次(厚生労働省健康局がん・疾病対策課課長補佐)
岸田 徹(NPO法人がんノート代表理事)
後藤尚雄(公益財団法人日本対がん協会理事長)
中川恵一(東京大学医学部附属病院放射線科准教授/放射線治療部門長)
廣村正彰(グラフィックデザイナー)
本田 亮(クリエイティブディレクター)
本多昭彦(公益財団法人日本対がん協会 広報グループマネジャー)

最優秀賞:「大丈夫」?

森上 早雲さん
岡山県立岡山南高等学校2年

作品説明

家族、友人から病院に行くのを勧められても「まだ、大丈夫」と勝手に自己診断をして行かない人が多いと聞きました。本当に大丈夫だと思えるために病院できちんと診てもらって欲しいというメッセージを込めてデザインしました。コピーを斜めに傾けることで、右の人物から左の人物へとストーリーが繋がるように工夫しました。

粟辻美早先生からの講評

虫メガネをうまく使った、アイデアあるコトバ遊び。インパクトの強い大胆な構成が、とても印象に残りました。言葉の中に隠されたメッセージは、多くの人が抵抗なく自分への忠告として受け止めるでしょう。この作品には、検診を後回しにしている人々の背中を押す力を感じます。

贈賞

最優秀賞作品は、9月のがん征圧月間をアピールするためのポスターとして活用します。ポスターは5万部ほど制作し、全国の自治体、保健所、病院などで掲出されます。副賞として賞金10万円を贈呈します。

優秀賞:「小さな危険」

中山 亮さん
愛知工業大学2年

作品説明

全体の構成はシンプルにして、中心の図形は放置しているとどんどん成長していくという意味を込めて余白を全面的に使いました。本作で私は、第一に見てもらうことを目的とし、一目見た時に「なんのポスターであるのか」と注意を引き、さらに通勤などの移動中でも端的に内容がわかるように工夫しました。今後、余白を黒くしていくのか、それとも白くするのかはあなたの行動次第であるというメッセージ性も込めています。

本田亮先生からの講評

たくさんの秀作がそろった中で白スペースが大胆なデザインが目をひいた。最優秀賞にするべきだという声もあったが過去に類似アイデアがあったために優秀賞となった。シンプルなデザインでも、スペースや色の使い方、コピーワークに高いディレクション能力を感じる。

贈賞

副賞として賞金1万円を贈呈します。

優秀賞:「母からの電話」

佐藤 里菜さん
静岡文化芸術大学大学院1年

作品説明

一人暮らしをする子供をついつい心配してしまうのが親心です。「ちゃんと食べてる?」は健康を気遣う常套句ですが、それと同じくらい「がん検診には行った?」と聞くことが当たり前になってほしいとの願いを込めました。コピーには「がん」という強い言葉を使わず、左下の協会名を見ることで初めて「がん検診」と分かるように配慮しました。

粟辻美早先生からの講評

少し前屈みに心配する母の姿が、イラストの優しいタッチによって、より深い愛情を感じさせます。自分を心配している人のために、その人を安心させるために。心あたたまる母の問いかけが、若い人たちの心にもきっと届くはずです。

贈賞

副賞として賞金1万円を贈呈します。

優秀賞:「疑え」

宮田 怜佳さん
東京造形大学2年

作品説明

日本人の2分の1が人生に1度はがんになるという話を聞いて、自分も含めて同じ場にいる誰かが今この瞬間がんになってもおかしくないと思いました。誰もががんになりうるという事を「癌」という漢字そっくりの存在しない漢字で表現しました。全体の半分の数ずつを「癌」と「癌かもしれない」漢字でランダムに埋め、誰ががんになってもおかしくないという事を表しています。

本田亮先生からの講評

日本人の2人に1人ががんになるという表現が多い中でこの作品がもっともビジュアルインパクトがあった。まだ「癌」になっていない人にも可能性がある。今は「癌」の一歩手前かもしれないという恐怖を感じることができる。見る人が自分事として考えさせられる作品である。

贈賞

副賞として賞金1万円を贈呈します。

優秀賞:「倒れる前に」

井澤 詩萌さん
岡学園トータルデザインアカデミー1年

作品説明

がんにかかり倒れてしまう人をドミノで例え、「ドミノが最後まで倒れる前に検診へ」=「自分が倒れる前に検診へ行くこと」をかけたデザインにしました。

本田亮先生からの講評

がんが進行する前に検診に行こうというメッセージがシンプルなデザインでユーモラスに表現されている。一方で倒れるのは「癌」ではなくて「人」ではないかという意見も出て、人によって捉え方が違う作品となった。しかし、アイデアのユニークさを評価して優秀賞とすることにした。

贈賞

副賞として賞金1万円を贈呈します。

入選

本田 裕一朗さん
(専門学校穴吹デザインカレッジ1年)
一歩踏み出せば
佐藤 里菜さん
(静岡文化芸術大学大学院1年)
あなたか、あなたの大切なひと。どちらかのはなしです。
中川 翠さん
(倉敷市立短期大学1年)
関係ないなんて
言わせない。
石田 晴也さん
(静岡産業技術専門学校1年)
命のかたむき
鈴木 遼太さん
(明治大学4年)
巣食われる前に救われよう
山内 虹渡子さん
(大阪成蹊大学1年)
がんけんしんにいこう
三澤 奏子さん
(金城大学短期大学部1年)
見つけようとしないだけ。
藤井 彩未さん
(河原デザイン・アート専門学校1年)
今ならまだ、きれいに消せる。

※学年は2019年3月の応募当時